できないことがないPicoの上位互換機、Swag II
海外通販税御用達のFastTechの担当者ゴリ推しのテクニカルMOD、Swag IIのレビューです。
レビューの依頼をもらうことが時たまあるのですが、今回のレビュー依頼は『今、このMODがキテるから!レビューよろしくだぜ!(意訳)』というようなお話をもらいました。
正直、Pico型のテクニカルMODは市場に有り余るほど存在していて、なぜここまでゴリ推ししてくるのか分かりませんでした。
ところがどっこい、実際に手に持って使ってみると、「性能もピカイチだし、見た目もいいし、操作性もいいし、軽いし、小さいし、何なんコレ」状態でした。
PODのような大きさと軽さで、ありとあらゆる機能がてんこ盛りのSwag II。
2020年の今、18650シングルバッテリーのテクニカルMODを手にするならコレです。
Swag IIスペック&付属品
W数(min-MAX) | 5-80W |
使用バッテリー/本数 | 18650/1本 |
USB充電 | 可 |
温度管理 | SS, Ni, Ti 対応 |
ファームウェアアップデート | 可(Vaporesso公式) |
- Swag II本体
- 充電用USBケーブル
- マニュアル
- その他(ワランティーカードなど)
クリアロがセットになっているキットもありますが、クリアロがいらないならMODだけでいいと思います。
見た目に安っぽさを全く感じさせないプラスチック製なので、持って初めてわかる感動的な軽さ。
感覚としてはガチャガチャの景品を持っているのかと感じてしまうくらいの軽さでした。
誇張でもなんでもないのですが、ちょっと大きめの金属RDAより軽いです。
Picoと決定的に違うのが操作ボタンの位置と決定ボタンの存在です。
Picoのプラス/マイナスボタンはそこにありましたが、Swag IIはより操作性のいい側面に配置されています。
また、スクリーンの下にある四角いボタンがメニュー/決定ボタン。
パフボタンの決定と分離させることで非常に操作性が良くなっています。
MOD本体に若干のくびれがありますので、手に持った時のフィット感も抜群。
MOD側面にのディンプル(凹凸)もデザイン性とグリップ力を兼ね備えていますので、非常によく考えられています。
バッテリーの取り付け/取り外し
バッテリーは底側がプラスとなっています。
ちょっと残念なのが、MOD底部にベントホールのようなものがあるのにもかかわらず、バッテリー挿入部に穴が確認できません。
ちゃんとしたところで買ったバッテリーを適正範囲内で使用すれば、そうそうベントホールが仕事をするということはないのですが…。
もしかしたらプラス表記の下にはベントホールが空いているのかもしれませんけどね。
Swag II基本操作&特徴
電源On/Off | パフボタン5回クリック |
モード切替 | モード選択ボタン3回クリック/長押し |
慣れるまではちょっと煩わしく感じるかもしれませんが、決定とパフボタンが分離していることで、MODと比較しても操作性が格段に上がります。
最近のMODはどれも反応速度がかなり速いので、決定と同時にファイアしていることが度々あります。
それはそれでいい点でもあるのですが、MODの操作をしながら空焚きをしてしまったりという事態が起きます。
特にこのSwag IIは機能が盛りだくさんですので、色々なアトマイザーを利用して性能を確かめながら使っていると、本当に決定ボタンがあってよかったなと思いました。
【VW MODE】
多くの人が利用するであろうVWモードにもいくつか種類があるようでした。
それぞれちょっとだけ仕様が違っていますので、各モードを簡単にご紹介していきたいと思います。
Pulse MODE
デフォルト状態では、Pulse MODE(パルスモード)というモードになっています。
一言で説明するのであれば、使用しているコイルの種類に応じて適切なモードを提案してくれるモード。
アトマイザーを乗せると、新しいアトマイザー(New load)か直前まで使用してたアトマイザー(Old load)かの確認をしてくれます。
ここでプラスボタンを押して、New loadを選択するとアトマイザーのスキャンが行われます。
そのアトマイザーで使用しているコイルの抵抗値を計りながら、温度管理が可能なコイル(SSやNi 200)であればSmart TC(自動温度管理モード)をオススメしてくれたりします。
そのまま温度管理がしたい場合は温度管理画面にジャンプしてくれますし、不要であればそのままVWとして使用することもできます。
アトマイザーのスキャン中、内部的には断続的にアトマイザーに通電させてコイルの種類や抵抗値の変化を確認しているようです。
その短いパルス通電でコットンが焦げるということはないとは思いますが、不安な方はリキチャを済ませた状態でスキャンしてもらいましょう。
スキャンが終了すれば、自分の好みの出力に調整して普通のVWとして使用できます。
DIY MODE→VW/VV/Bypass/Curve MODE
機械のオススメ設定をすっ飛ばして、自分で出力を調整するモードです。
最近では見ることの少なくなったVV(電圧出力調整)もあります。
Vaporessoの特徴でもあるSP Mode(Super Player Mode)というモードですが、抵抗値が0.03Ω~5Ωまで反応させられるようになるモードです。
最近目にするメッシュRDAなんかでも0.1Ω以上ありますし、それよりも低い抵抗値でVAPEしなければならない特殊な状況は避けるべきだと思います。
SP Modeはコイルアーティストが焼き入れをする場合なんかに使用するものなんだと思います。
【TEMP MODE】
Smart TC、もしくはDIY MODE→VT MODE
先ほど紹介したSmart TCやDIY Modeから、VTを選択して自分で温度管理状態を設定することも可能です。
Smart TCがどこまで正確にコイルの種類を判別してくれるかは不明ですが、温度管理を極めし者は機械の設定なんかに頼らずに、自分の好みの設定に変更することが多いと思います。
コンタクト部分
22mm:Galaxies RDA
余裕がありすぎて逆に不格好に見えてしまうかもしれません。
「22mmアトマイザーしか使わないよ」という人は、おそらくすでに手元にあるであろうPicoで十分なのではないでしょうか。
ですが、最近のアトマイザーは24mmが主流ですので、そういった方はかなり少ないかも。
24mm:Recurve RDA
最近のトレンドである24mmアトマイザーがきれいに乗ります。
若干のギャップがありますが、この程度のギャップであれば誤差の範囲でしょうし、何よりも24mmアトマがキャップに干渉せずに使用できるというのが大事です。
25mm:RTFC RDA
多くの人がデュアル以上のMODで使用するであろう25mmアトマも使用することが可能です。
25mmで見た目上はツライチになります。
こういったキャップが上に飛び出ているタイプは、バッテリーキャップとの干渉が一番の課題となっていますが、あと1.5mmぐらい余裕があります。
ということは、ツライチで乗せることを無視するならば理論上は直径28mmまでのアトマイザーは乗せられるということになります。
…まぁ乗せられるというだけで、そんな大きなアトマイザーを18650シングルバッテリーMODで使うことは考えない方がいいかもしれません。
Swag IIのメリット・デメリット
Axon Chip搭載で機能面は一切の妥協なし
VaporessoのMODはどれも性能が素晴らしく、痒い所に手が届くものが多いです。
私が今でもよく使用するシングルバッテリーMODのひとつに、Armour Proがありますが、よく考えてみればそれもVaporesso製でした。
Swag IIにはAxon Chipという基板が使用されており、色々な機能を余すところなく使いこなすことができます。
一般的なVW機としてはもちろん、VV機能やBypassなどのニッチなモードを搭載しています。
温度管理もできますし、ごつめのコイルでも快適に使用できるカーブモードも搭載しています。
そして何よりPulse MODEのスキャン機能があることにより、乗せているアトマイザーで使用できるモードを提示してくれるというスマートさがあります。
Swag IIほど機能面が充実したMODは今のところないかもしれません。
小さい・軽い・可愛い・オシャレ
バッテリーを抜いた状態のSwag IIの軽さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
実際は18650バッテリーが入りますので、MOD単体の重さを感じる機会はあまりないのですが、それでも一度はバッテリーなしで持ってみてほしくなるほどの軽さです。
軽量化のためにプラスチック製となってはいますが、チープな感じは一切感じることのないデザイン。
サイズも非常にコンパクトで、ちょっと大きめのPODと同じくらいのサイズ感。
デザインやカラーも男性が持っても女性が持っても違和感のないユニセックスなものとなっています。
色々なカラーリングがありますので、好みの色やアトマイザーとの組み合わせを考えるのも楽しみです。
VaporessoのMODの発色はきれいなものが多いので、嫌いでなければ色の付いたものがオススメ。
バッテリーキャップが高すぎて、背の低いアトマイザーとの相性が悪そう
技術の進化により、全体の大きさはPicoよりもコンパクトに収まっているのですが、バッテリーキャップはバッテリーの長さがあるのでこれ以上小さくはなりません。
Picoよりも高くせり出しているため、背の低いRDAを乗せると何とも吸いにくそうな状態になってしまいます。
背の低すぎるアトマイザーを利用するなら、ヒートシンクなどを利用して背を高くしてあげるという本末転倒な形が解決策かと思います。
小さすぎて背の低いアトマイザーが使えないという不思議な状態が起きていますが、ほとんどのアトマイザーは普通に使用できますのでご安心を。
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