シングルで美味けりゃデュアルで2倍美味いはず
シングルコイルアトマイザーって、なぜだか美味しいと言われますよね。
私は燃費も味も良いシングルコイルアトマイザーを常用しているのですが、唐突に「これ、デュアルで組んだら大変なこと(バカウマ)になるんじゃね?」と思いついたわけです。
合計4つのシングルコイルアトマイザーをデュアルコイルでビルドしていますが、どれも抵抗知的には同じ0.5Ω付近です。
ちなみに使用したワイヤーは、Ni80の26G、内径は全て直径3mmでビルドしています。
どこまで参考になるかわかりませんが、色々とビルドしてみましたのでご参考までにご覧ください。
【難易度:低】Maze V3 RDA
当ブログのリキッドレビュー用RDAとして大活躍中のMaze V3をデュアルコイルでビルドしてみました。
通常のビルドが簡単なだけあって、コイルを2つ組むのも楽々…というわけにはいきませんでしたが、比較的簡単にはビルドできました。
コツとしては、最初に上のコイルを差し込んで上に引き上げます。
その後、コイルレッグを整えた下のコイルを差し込むという寸法です。
Maze V3(デュアル)のウィッキング
Maze V3のウィッキングは特に特殊な工程は必要ありません。
それぞれのコイルにコットンを通してあげて、そして下に届く長さに整えるだけでOK。
【難易度:低】Drop solo RDA
Drop Solo RDAもいろいろビルドできそうな構造をしています。
上からコイルを落とすビルドをする人や、下からコイルを差し込むビルドをする人などがいたので、それらを一気にやってみようと思い立ちました。
位置は上から見て真ん中に来るように配置しました。
どちらか一方に寄せたいのですが、ポールが一方のエアホールに寄っているのが難点。
仕方なく真ん中にコイルを配置します。
ウェルの淵が結構高いところにまであるので、高さ的にはギリギリ。
まずは下からコイルを差し込んでコイルレッグをカット。
その後、上からコイルを落として調整するという風にビルドしました。
Drop solo(デュアル)のウィッキング
アトマイザーのチャンバーが小さいということもあり、ウィッキングに一工夫してみました。
まず、下の方のコイルにコットンを入れるのですが、落とすのは片方のコットンのみ。
もう一方のコットンはガッツリと切り落としてしまいましょう。
上のコイルに通してコットンは、下のコイルとは逆方向に伸ばして落としてあげます。
そうすることで、両方のコットンがしっかりとデッキ底に触れることになり、リキッドの供給がよくなるのではないかと期待。
実際にキッチリと供給してくれていましたので、もくろみ成功という感じです。
【難易度:中】Dead Rabbit SQ
まず最初にこれだけは言っておきましょうかね。
「え?わざわざSQをデュアルで組むくらいなら、24mmの方を素直に組んだほうがいいじゃない?」という意見は言ってはいけません。
実はSQのデュアルコイルビルドが結構大変だったので、難易度は中に設定させてもらいました。
コイルを乗せるときに、最初にコイルレッグを上の写真の状態に整えておく必要があるように感じました。
コイルを組む前にペンチなどでコイルレッグを曲げておいて、そのあとに固定してやる方が楽ちんです。
何も考えずに固定してからコイルをグリグリ動かして位置の調整をすると、コイルレッグがねじ切れるということが何度もありました。←
Dead Rabbit SQ(デュアル)のウィッキング
ほら、24mmのDead Rabbitとの違いが判らなくなってきたでしょう。
でも、あの言葉はってはいけません。
絶対にその頭に浮かんでいる言葉は発してはいけません。
【難易度:高】WASP NANO RDA
もっとも厄介だったのが、このWasp Nano RDAのデュアルコイルビルド。
というのも、上下にコイルをビルドしたかったのですが、トップキャップの関係で上下にはデュアルコイルを組むことができませんでした。
なので、仕方なくバーチカルコイルでデュアルコイルを組むことにしたのですが、これがまたいろいろと大変でした。
大変だったのは2個目のコイルを固定するとき。
左手で2つのコイルレッグを固定して、右手でドライバー、口にコイルジグという猫の手も借りたい状態でしたが、何とか完成。
その姿を嫁に見られてしまうと、呆れ顔で「…そんな必死になって何してんの?」と冷ややかな目線を浴びること間違いない状態でした。
コイルの高さは固定後にコイルジグを使いながらマイナスドライバーで持ち上げます。
それに、コイル位置の関係で順巻コイルと逆巻コイルをひとつずつ使う必要がありますので、真似してみようという方はご注意を。
WASP NANO(デュアル)のウィッキング
ビルドだけでなくコットンワークも大変でした。
コイルを上から入れるしかないのですが、下に引っ張るにも専用のコットン用ピンセットがないとなかなか大変な印象でした。
まっすぐなピンセットではなく、先が曲がったピンセットがあると重宝します。
デュアルでビルドのまとめ
それぞれシングルでもなかなか味を出してくれるアトマイザーたちですが、シングルコイルの時よりもミストも味も際立っているのが印象的でした。
それぞれに共通する感想をまとめてみたいと思います。
立ち上がりが遅くなる
コイルの質量が単純に倍になりますので、立ち上がりそのものは遅くなってしまうのは仕方ありません。
Ni80でも体感で遅いなと感じるレベルですので、Kanthalでビルドするとさらに遅く感じてしまうかも。
そのあたりは出力やCurve Modeを上手に使って対応しましょう。
ドローが重くなってミストが濃くなる
私は何でもかんでも「味が濃い」と表現するのが好きではないのですが、今回はこの表現を使わざるを得ないと思います。
通常シングルコイルで使用を想定されているアトマに、2倍のミストが生み出されるわけです。
原付に軽自動車のエンジンを積んでいる状態、軽自動車に3ナンバーのエンジンを積んでいる状態といえばクルマ好きの人ならわかってもらえるでしょうか。
アトマのチャンバー内の空間を余すことなく使いますので、必然的に濃いミストが発生します。
また、エアホールギリギリにコイルを置いたりということがありますので、ドローも若干ですが重くなります。
それがさらに濃いミストとしっかりと味の乗ったミストを生み出すことに一役買っていると思われます。
想像力で無限にビルドで楽しめる
ビルドに正解はないと言われているVAPE業界。
デュアルコイルで組むことを想定されているYuri RDAにシングルコイルを組んでいる人が多いように、シングルコイルアトマだからといってデュアルコイルを組んではいけないというルールはありません。
ビルドの世界に唯一あるルールは「オームの法則」のみ。
電池の許容アンペアが許す範囲であれば、どんなビルドで組もうが自由なのです。
あなたの想像力を存分に使って、誰も見たことのないビルドで、経験したことない美味しさを体験できるかもしれません。
あなたの手元に眠っているアトマイザーのポテンシャルを引き出してあげられるのはあなただけなのです!!!